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天狗の軍手

アニメとか漫画とかラノベとか色々と感想書いていきますん

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『悲衛伝』感想 






 遥か宇宙から地球を討つ。
 十四歳の英雄、空々空とその九人の仲間たち。

 人工衛星『悲衛』で科学と魔法の融合実験を繰り返すある日、少年の部屋にひとりの『女性』が現れた。
 自らを『月』だと名乗る彼女は、地球と人類の戦争を停戦に持ち込むために、太陽系の惑星と人類との仲立ちを提案する。

 次なる『大いなる悲鳴』が予告されている今!
 少年は、武器も策も持たずに戦うのではなく、殺し合うのでもない。

 悲鳴さえ届かない宇宙空間で過酷極まる壮絶な話し合いに挑む!

 悲鳴に始まり、悲しき記録を綴った亡命に続く――過酷極まる英雄譚、第八弾

 ――少年よ、話し合え。
 ――星が願いを、叶えるとでも?





     0


 言っていることは正しいが、それを言ったことは正しくない。

     1

――――登場人物――――

 空々空(そらから・くう)
 灯籠木四子(とうろぎ・よんこ)
 酒々井かんづめ(しすい・かんづめ)

 地濃鑿(ちのう・のみ)

 氷上竝生(ひがみ・なみうみ)

 虎杖浜なのか(こじょうはま・なのか)
 好藤覧(すいとう・らん)

 左右左危(ひだり・うさぎ)
 酸ヶ湯原作(すかゆ・げんさく)
 トゥシューズ・ミュール(とぅしゅーず・みゅーる)

 杵槻鋼矢(きねつき・こうや)

 ――――登場惑星――――

 メタール(水星)
 ツートン(金星)
 スピーン(木星)
 リングイーネ(土星)
 ブループ(天王星)
 ウォー(海王星)
 ノーヘル(冥王星)

 ブルーム(月)

 太陽(たいよう)


 地球(ちきゅう)




第1話『ようこそバニーガール! 人工衛星「悲衛」』

①科学と魔法の実験が続くある日、人工衛星『悲衛』にバニーガールがやってきた
②自らを『月』だと名乗る彼女は、空々空に対して地球と人類の停戦を提案する。

『月』
 自転周期――――27日
 公転周期――――27日
 太陽からの距離―1億4960万キロメートル
 直径――――――3475キロメートル
 属性――――――衛星
 発見――――――人類生誕時

③停戦のために、太陽系の惑星に協力してもらう。
④そのためには説得しなけばならない。
⑤空々空は、この停戦協定に『あのかた』――太陽も協力してもらえないかと月に交渉する。
⑥太陽にこの話を持っていくためには、太陽系の惑星すべてを説得して『賛成』してもらえないといけない。はるかに難易度が跳ね上がった。


⑦月の提案で、空々空は、月に『呼びやすい名前』をつけることになった。
⑧空々はブルームーンと提案して、月はそれを短くして『ブルーム』という名前にした。

 空々がブルームーンという名前を思い浮かべる前に、『ジャイアントインパクト』という月に関係する言葉を連想していたが、個人的な理由から却下していた。
 ジャイアントインパクト。
 地球に隕石が衝突するなどのことで、飛び散った地球の断片によって月が生まれたのではないかという説を指す言葉である。




第2話『初めての交渉劇! 天王星は横たわる』


①自分の頭がおかしくなったのではないかと、地濃鑿の部屋を訪れる空々。

「いやー、空々さん。さっき右左危博士にお願いして、ようやく現在の地球のリアルタイムのカメラ映像を見せてもらったんですけれど、なんか青くて気持ち悪かったですから、絶対見ないほうがいいですよ。マジで青過ぎです。ありゃ本当不気味でしたねー」
「…………」
 よかった。これが本当に頭がおかしい人間のありようならば、まだまだまともな範囲だ。

②ブルームが現れて、最初の交渉が決定した。

『天王星』
 自転周期――――17時間14分
 公転周期――――84年
 太陽からの距離―28億7500万キロメートル
 直径――――――5万1118キロメートル
 衛星――――――27個
 属性――――――氷
 発見――――――1781年

③天王星に対する知識のない空々は虎杖浜に訊ねる。飛行機と同じく、人工衛星の環境下で体調が悪そうな虎杖浜。

④地球と同じブループラネットである女学生――天王星が訊ねてきた。交渉開始。
⑤手始めとして、名前をつけることになった。
⑥ブループラネットからブループを名づける空々。不満そうなブルームと、納得しているブループ。
⑦地球と人類の戦争に、大して関心のない天王星。
⑧空々は他人事ではないと説得する。

 人類が、地球との戦争に勝利したとき、人類の住む場所はなくなってしまう。
 そのとき、移住先が――天王星になるかもしれない。
 人間が住める星ではない天王星だが、人類は何としても住もうとするだろう。人類にとって『青い星』というのは特別なものだから。
 それに。
 人類が、惑星との戦争に勝利したとき訪れた平和を愛でるなんてことはない。惑星との戦いで『勝つ方法』を憶えた人類は――新たな戦争を始める。
 侵略。
 人類はほかの惑星と戦争を繰り返す
 天王星にとって、地球と人類の戦争は長引けば長引くほどいい。
 そのための、停戦。

⑨話を終えた末に、ブループは『保留』として姿を消した。





第3話『最大、現る! 木製は爽やかに縞模様』


①次の交渉相手は木星。交渉は、就寝直前の状態で開始した。

『木星』
 自転周期――――9時間56分
 公転周期――――11・86年
 太陽からの距離―7億7830万キロメートル
 直径――――――14万2984キロメートル
 衛星――――――67個
 属性――――――縞模様
 発見――――――人類生誕時

②ボーダーシャツに麦わら帽子の木星に対して、空々空はスピーンと名前をつけた。自転周期が極めて早いことから『スピード』と『スピン』をかけたらしい。
③スピーンは、『同胞殺しの地球が幅を利かせている』ことに対して思うことがあった。故にスピーンは『地球を懲らしめたい』と思っていた。
④同時に、『太陽に挑戦したい』という野望を持つ木星。その動機を求めていた。
⑤そんなこんなで、木星との交渉は問題なく終了した。

 賛成『1』
 保留『1』
 反対『0』

⑥次からの交渉術を学ぶために、地球上の病院で休養中の杵槻鋼矢とコンタクトを取る空々空。
⑦『対立を煽る』という方法に関しての詳細を聞く空々空。
⑧月がやってきた。どうやら海王星と水星がダブルブッキングしてしまったとのことだった。
⑨早速、杵槻鋼矢から受けたアドバイスを活かすときがきた。



第4話『水と海の対立! 板挟みのサーフィンを乗りこなせ』

『水星』
 自転周期――――59日
 公転周期――――88日
 太陽からの距離―5790万キロメートル
 直径――――――4879キロメートル
 衛星――――――0個
 属性――――――傷
 発見――――――人類生誕時


『海王星』
 自転周期――――16・1時間
 公転周期――――165・2年
 太陽からの距離―45億キロメートル
 直径――――――4万9528キロメートル
 衛星――――――14個
 属性――――――不可視
 発見――――――1846年

①以上の詳細を虎杖浜なのかに聞いて、部屋を立ち去ろうとしたところを呼び止められた空々。虎杖浜に怪しまれる。

 宇宙なら――空気がないから悲鳴は届かない
 しかし、悲鳴の仕組みがわからない以上、宇宙だからといって安全とは限らない。

②虎杖浜なのかに探られたが、天才少女・虎杖浜なのか――でさえも、惑星と交渉していることまで見破れなかった。

③水星。甲冑姿。空々はメタールと命名。海王星。セパレート水着。空々はウォーと命名。
④険悪な雰囲気の二人(二星)。ウォーは『水星は太陽の傍に仕えているからほかの惑星を見下している』と言う。
⑤ウォーは空々の案に賛成だという。それは反対の反対。水星の意見の反対を選んだだけである。
⑥何も話さない水星を煽る空々。ここで水星は一言。

「愚問である。太陽は俺の友だ」

⑦一向に話は噛み合わない。杵槻鋼矢のアドバイスも活かせそうにない。
⑧空々空は、ここで、意見を保留にしている天王星をこの場に呼ぶと言った。

均衡のダブルブッキング混迷のトリプルブッキングにさせる空々空の奇策。これに加えて、空々空は『彼女』をこの場に呼ぶ。

 既に死亡している火星の生き残り。
 火星陣にして――魔女。
 酒々井かんづめを。




第5話『幼女、参戦! 火星は死んでも死に切れない』


『火星』
 自転周期――――24.6時間
 公転周期――――687日
 太陽からの距離―2億2790万キロメートル
 直径――――――6792キロメートル
 衛星――――――2個
 属性――――――火
 発見――――――人類生誕時

①酒々井かんづめを会談に呼ぶ。会談に参戦する前に酒々井かんづめは告げる。

かんづめははんたいや
 停戦を、反対だ。でもこれは交渉の場では言わない。
 空々空を邪魔するつもりはない。
 この会談、下手すれば、地球と人類の戦争は太陽系戦争に発展するかもしれない。

②会談を続ける中、かんづめは『戦争はそんな簡単なものじゃない』と言った。

 そもそも、こんな会談が設けられている時点で、太陽系は地球の戦争に巻き込まれているも同然だ

③人類は地球に勝つのは難しいというかんづめに、反論する海王星『ウォー』。案外人類が優先なのでは? 火星の敗北が、あなたの目を曇らせているのでは?

 空々は地球との戦争に対してこう思っている。
『絶対に勝てるとは言わない。でも、勝ち目がないわけではない』と。

④地球戦争。ベストはベストは地球が人類と和解して、ほかの惑星に迷惑をかけない。ワーストは、戦争が終わる。

 人類が勝ったら、人類はほかの惑星に戦争を挑む。
 地球が勝ったら、地球はほかの惑星に戦争を挑む。

⑤不服がある水星『メタール』。地球と火星の戦争が起きたのは近所だからであって、ほかの惑星と戦争が起きるとは言えないのでは? でも、かんづめは言う。

 厄介なことに、地球は戦争の楽しみを学習している

 人類が勝とうと、地球が勝とうと――ほかの惑星は戦争を受ける。
 しかし、人類の場合は――新たな移住先を見つければ、そこで終わる。
 だが、地球は――地球の侵略戦争は終わりがない

⑥「やはりお前の発言は、地球に対する悪意が強過ぎるように思う。そこまで行くと、偏見である。仮に、地球が攻めて来たとしても、負ける気はしないしな
 そんな水星『メタール』に対して、かんづめ。

「戦争もせんと、平和に暮らしてきたあんたらが、ずっと戦い続けてきた地球を相手に、負ける気がしないって? そらまた面白い話や」

 戦争が技術を育てる。
『大いなる悲鳴』も、人工衛星も、戦争の産物。
 火星の技術である魔法も、科学の力で今に解明されてしまいそうだ。

「それだけの軍事力が、あんたらにあるんか?」


⑦ならば人類と地球が和解するのが一番なのではないだろうか? と考える。だが。そんなことはない。和解が招くのは平和とは限らない。

 人類と地球が結託して、ほかの惑星に攻め込まないとも限らない。
 それは――太陽にさえ匹敵し得る。

⑧ならば永遠に戦争を続けるべきなのだろうか。
 いや、それは遅いか早いかの問題だ。

 長く続けば続くほど、軍事力を上げる地球と人類。
 
⑨先制攻撃をするのはどうだろうか?
 そんなことをしたら、仲直りの口実になる。
 先制攻撃で――沈めればいいだけの話。

「俺なら無理でも」
 俺の友ならできる。



第6話『対談、鼎談、四者会談! そして天使が現れる』

①それぞれの賛成理由。
 水星メタール『最終判断は太陽次第。太陽を尊重するならば協力する』。
 海王星ウォー『メタールの嫌がらせとして、賛成する』。
 天王星ブループ『人類の悪あがきを見たい。愉快犯的な投票』。

 意見は一致しなかった。
 しかし、利害は一致した。

②必要以上に、喋ってしまったかんづめは『次からはもう呼ばんといて』と、会談から席を外した。

③トレーニング中の空々の元へ、地濃鑿がやってきた。虎杖浜から送り込まれた『秘密』を聞き出す刺客。空々の隣で、トレーニングを開始する地濃。


「地濃さんは運動なんてしなくていいのに……、宇宙空間で筋力が衰えて立ち上がれなくなればいいのに」
「すごいことを言ってますよ、空々さん。いけませんねえ、もしかしてストレスが溜まっているんじゃないですか?」

「では、空々さん。悩みごとを打ち明けろ」
「命令形……」
「私でよかったら、話、聞くよ?」
「幼馴染みたいなことを言ってくるね……」
 どんな出張をしてきたか知らないが、そういうのは別のシリーズでやってほしい。

「冗談は抜きにしてですよ、空々さん。虎杖浜さんに頼まれていなくとも、私は、空々さんをきっちり訪問しなきゃと思っていましたよ。問い詰めようと思っていましたよ。なんだか最近、様子が変でしたから」
「……具体的に、どう変だった?」
「ほら、なんだか不自然にお声かけいただいたときがあったじゃないですか。あのときからなんだかおかしいいと睨んでいました。空々さんが用事もないのに私を訊ねてくるなんてありえませんからね」
 嫌われている自覚はあるらしい。
「さあ、何を隠しているんです。言っちゃってください。愚痴くらいなら聞いてあげますよ」
「……ばれちゃあしょうがない。地濃さんだから信用して言うんだけど、実は今、僕は極秘任務にあたってるんだよ」
「え? 空々さんは私を信用してないでしょう? なんでそんな嘘を吐くんですか?」
「…………」
「で、極秘任務ってなんですか? 私の暗殺ですか?」

④杵槻鋼矢から任務を受けていると嘘を吐く空々。虎杖浜に聞くわけにはいかないから――次なる交渉相手の、土星について。

「ふっふっふ、私、土星にはうるさいですよ?」
 土星じゃなくてもうるさい。


『土星』
 自転周期――――10・7時間
 公転周期――――29・5年
 太陽からの距離―14億2940万キロメートル
 直径――――――12万0536キロメートル
 衛星――――――62個
 属性――――――輪
 発見――――――人類生誕時

⑤天使だった。ウェーブヘアに、白いワンピース。背中から生えている翼。
 彼女に、リングイーネと名づける空々。

⑥すべての星々に評価を下すリングイーネ。

 天王星――ブループ。
 停戦案に対して賛成したというより、空々空の姿勢に対して投票した形。外輪であるが故に、緊張感がない。危機感が足りない。

 木星――スピーン。
 彼女の場合は口実。チャレンジの口実に過ぎない。地球と人類の戦争を過小評価しているように感じられる。

 水星――メタール。
 彼女は少し傲慢。太陽への愛が行き過ぎている。

 海王星――ウォー。
 外輪であるが故に危機感がない。

 火星陣――酒々井かんづめ。
 戦争の経験者であった故に、それらの体験がすべてだと誤認してしまっている傾向がある。

⑦金星との交渉は上手くいくだろうけど、冥王星との交渉は難航するだろうと言う土星リングイーネ。

⑧ならば、交渉の席から冥王星を外すのはどうだろうかと考えるが、それをすると冥王星が妨害して新たな戦争を生みかねない。
⑨土星リングイーネは代替案を述べる。
 それは、『わたしがあなたがたの敵になる』というものだった。


 地球が勝てば快楽戦争が始まる。人類が勝てば侵略戦争が始まる。
 戦争が長引けば軍事力を蓄え、両者の和解にはリスクが伴う。

 そんな八方塞な状態で、土星が両者の敵になれば、丸く収めることができる。




第7話『冥王、降臨! 彼女はまるで殉じない』


①土星リングイーネの代替案は、冥王星と話してからにしたいと述べる空々。ここで一度、土星との交渉は終了する。

『冥王星』
 自転周期――――6・4日
 公転周期――――247・8年
 太陽からの距離―59億3100万キロメートル
 直径――――――2370キロメートル
 衛星――――――5個
 属性――――――元惑星
 発見――――――1930年

②死神の姿をしている冥王星には『ノーヘル』と名づけた。氷上のアイディアから。
③交渉内容を聞いていない冥王星に、すべて説明する空々空。
④反対意見を頑なに変えないノーヘル。
⑤戦争の飛火なんて知らない受けて立つ。二次戦争が始まっても構わない。責任は私が取る。
⑥人類を快く思わない冥王星。

プランAからプランBに変えると発言した空々。ここで、空々はうっかりリングイーネのプランを口にした。

⑧「今すぐ土星をここに呼んでらっしゃい! あんたじゃ話にならない、あの輪っか女と、直接、話をつけるさ!」

⑨天使と死神の直接対決。

 セカンドチャンスは二度目のダブルブッキングである。



第8話『天使と死神! そして……』


①次の交渉を始めるまで少し時間がかかる。その隙に『月』と話す。月ブルームの意見を聞こうとする空々。土星リングイーネの挙げたプランBをどう思うか。
ブルームは断然プランAを推す。それにプランBだと金星は賛成しないだろうと。

③道中、好藤覧に捕まった空々空。好藤覧の部屋に案内されると、天才ズ――チーム『白夜』が揃い踏み。
④追い詰められ、隠すのは困難だと判断した空々は正直に話した。
⑤包囲網は解かれ、空々空は釈放された。ドン引きされる形で。『禁欲の結果、おかしくなった』とさえ、魔法少女『スクラップ』に言われる始末。

⑥しかし、空々を追い駆けてきた人物がいた。灯籠木四子だった。
彼女は空々の発言を信じていた
⑧灯籠木四子。彼女は『四国で会ったことがあ』と言った。

⑨次の『大いなる悲鳴』の日程を、地球から聞いたのだと。





第9話『八面六臂! 天才少女の面目躍如』


①地球との話は後回しにして、交渉の場所に参加することになった灯籠木四子。

②死神と天使、何故かやってきた女学生・天王星。様子見にきたらしい。
③リングイーネの述べる『ベスト』なプランBに対して、『どうして火星のときにそれをしなかったのか』と責め立てる死神。
④地球にためになるプランを許さないのが、冥王星なのではないか? と考える灯籠木四子。
⑤無茶苦茶を言い続ける死神に、呆れ気味な天王星と天使。
⑤死神は『地球が準惑星に格下げされる』ことが目的と言う。

⑥ここで灯籠木四子は、そのアイディアに乗っかった。

⑦プランZとして、冥王星の望みを叶える。
⑧灯籠木四子は『相手の無茶を聞き出して叶える』ことが目的だった。こうして賛成案を取りつけた。

⑨ダウンサイジング――地球を削れば、その案は通る。
 その力が――人材が、空挺部隊にはある。




第10話『輝く女神はヴィーナス! 最後の惑星、現る』

空々空と灯籠木四子がデキているという噂が『悲衛』内部で広がる(灯籠木が広めたのと、船内で目撃された熱烈なキスシーン)。

 トゥシューズ・ミュール。詳細不明。
 地濃鑿「いやー、空々さんも人間だったんですね。感情が死んだつまらない仕事人間だとしか思ってませんでしたけれど、意外とやることはやってるんじゃないですか。所詮はただの男と言いますか、少しだけ見直しました」――祝ってくれた。祝ってくれたか?
 左右左危「わかってると思うけれど、『魔人』や『究極魔法』の事情もあるんだから、清く正しく健全なお付き合いを推奨するわ」
 酸ヶ湯原作「おめでとう、空々くん。四子は僕の娘のようなものだから、よろしく頼みますよ」
 氷上竝生「何をしているのか、いつかちゃんと教えてくださいよ。キスの仕方がわからないときは、私に訊いていただければ」――謎の台詞だった。
 虎杖浜なのか「私が……、包囲網への協力をお願いしたばっかりに……、灯籠木が空々くんとお近づきになっちゃった……」――強く気に病んでいる様子で、遂に寝込んでしまった。
 好藤覧「また灯籠木の犠牲者がでよったか。同情するで、空々くん」

②灯籠木四子の普段からの素行の悪さも相まって、怪しまれず――二人きりになれる状況を整えることができた。
③地球が告げた次なる『大いなる悲鳴』の日付に相違はなかった。

『金星』
 自転周期――――243日
 公転周期――――224・7日
 太陽からの距離―1億0820万キロメートル
 直径――――――1万2104キロメートル
 衛星――――――0個
 属性――――――逆転
 発見――――――人類生誕時

④寝起き五分みたいな恰好をしていて、毛先が金髪でもう半分が黒髪。その見た目からツートンと名づける空々。
⑤やる気のないツートンに拍子抜けする空々。
⑥意見を聞き出そうとする空々。金星ツートンがぽつりと漏らしそうになった『机上の空論』という言葉を拾って、話を広げる。机上の空論ではない方法はないか? と。
⑦落ちたのは冥王星なんかではなく、金星だという金星ツートン。火星と地球の戦争で。

⑧いい加減にしとけよ、お二人さん。うちやったら二人やろうが、二十億人やろうが始末できるんやで。

⑨「地球に大いなる悲鳴を教えたったんはうちやねんから


第11話『語られる真実! 貼るかかなたの戦争』

①金星が地球に『大いなる悲鳴』を教えたのは、人類が誕生する前。こんなつもりじゃなかったと嘆く金星ツートン。
②地球にとって、人類は虫けらどころではなく――ウイルス程度のものである。癌細胞とも言える。ならば――『大いなる悲鳴』という治療が必要である。
③金星が教えたら『大いなる悲鳴』は、こんな形ではなかった。ちょっとした健康法だった――それを対人類用に地球がカスタマイズした。
④地球にとって人類の滅亡は新たなウイルスの発生に繋がる恐れがある。人類が占めているから、ほかの害虫が突飛立ってこない。しかし、人類が滅亡すれば――それが現れる恐れがある。

⑤灯籠木は言う。火星との戦争で大いなる悲鳴の原型を使ったの

⑥上手い具合に撒かれて、金星は『賛成』と案だけを残して立ち去った。次なる相手は太陽

『太陽』
 自転周期――――27日6時間36分
 公転周期――――×
 太陽からの距離―0
 直径――――――139万キロメートル
 衛星――――――0個
 属性――――――炎
 発見――――――人類生誕時

⑦太陽との交渉に備えて思考錯誤する二人。灯籠木は『あること』に気づく。『今、何とおっしゃいました?』『違う、その前です』――。
⑧地球が、唯一太陽に勝っている点を発見した。
⑨地球が、太陽系の中で最も密度の高い惑星である。



第12話『太陽に相対! ここが世界の中心だ』


①翌日、杵槻鋼矢から連絡がきた。この通信ならほかから傍受されないとのことだった。
②たとえ話として、これまでの経緯を伝える。事実をそのまま信用してもらえるとは限らないからである。
③太陽との交渉に備えて相談をする。
④様々な話術を受けながら、大物を相手にするときのコツを教えてもらう。『大物は私の敵じゃない
⑤灯籠木は天才ズの元に行っていた。虎杖浜から『空々くんとはどこまでいったのか?』についてしつこく訊かれたらしい。

⑥様々なアドヴァイスを授かって、いざ太陽との交渉に向かう。
⑦だが、そこにはいたのは『月』だけだった。
⑧どうやら太陽は『用があるならそっちから来い』と言っているらしかった。

⑨今まで惑星がしてきたことの『逆』を、空々と虎杖浜は行う。
 擬人化ならぬ、擬星化を。




第13話『きらきら光れ! 輝く星は混じり合う』

『空々星』
 自転周期――――24時間
 公転周期――――365日
 太陽からの距離―1億4960万キロメートル
 直径――――――160センチメートル
 質量――――――58キログラム
 衛星――――――0個
 属性――――――暗黒
 発見――――――14年前


『灯籠木星』
 自転周期――――24時間
 公転周期――――365日
 太陽からの距離―1億4960万キロメートル
 直径――――――151センチメートル
 質量――――――44・4キログラム
 衛星――――――0個
 属性――――――漆黒
 発見――――――15年前


①天体と化した空々と灯籠木は『月』に導かれながら太陽に向かう。
②天体状態は思っていることがそのまま口に出てしまう状態みたいだ。

③「こにんちわ、太陽すで」
 太陽と交渉が開始。

④灯籠木が提案するのは『ダウンサイジング』――を、もっと具体的にまとめたものだった。コペルニクス的転回――天動説。これの採用である。
⑤ダウンサイジングの逆。
 密度の高い地球を『耕して』巨大化させる。

 地球が肥大化すれば、人類が抱える問題が解消される。
 地球が三倍に膨れ上がれば、面積は九倍に膨れ上がる。

⑥地球をアップサイジング――アップデートする。一方で太陽をダウンサイジングする。太陽風は『風』で抑える。それに灯籠木は『火』の魔法少女だ。中身すっかすかの太陽を凝縮させる重力関係を滅茶苦茶にする

 それは地球を太陽系から追放するというものだ。

⑦灯籠木が太陽に提出したプランとは、地球を恒星にするというものだった。
⑧太陽系の天体を集めて、太陽系サミットを空々の部屋で行う決断を、太陽が下した。

⑨太陽系サミット。
 それって、地球も含んでない?


 再開のときは近い。




第14話『太陽系サミット! そして始まるオミット』


①月が言うには太陽系サミットには『地球』は含まないとのことだった。

 参加メンバー。
 人類・空々空。
 人類・灯籠木四子。
 火星陣・酒々井かんづめ。
 水星・メタール。
 金星・ツートン。
 月・ブルーム。
 木星・スピーン。
 土星・リングイーネ。
 天王星・ブループ。
 海王星・ウォー。
 冥王星・ノーヘル。
 太陽。

②トレーニングルームにいた地濃鑿に相談する空々。
③虎杖浜経由から聞いた話を信じていた地濃鑿。

「え……? 地濃さん、まさか、信じたの?」
「ええ! 私が空々さんを信じないわけがないでしょう!」

 地濃が言うのは『全員の言葉に耳を傾けるのは不可能』だから『自分が代弁者になる』というものだった。

「ありがとう。参考になったよ」
「またまた。どうせ私の忠告なんて守らないでしょ?」

④あれこれと相談を受けて、空々は杵槻の元に向かう。群像劇になりそうなときは、意外と綺麗ごとのほうがまとまりやすいとアドバイスを受けた空々。
⑤酒々井かんづめの元に行き、事情を説明する。
⑥空々空、灯籠木四子、酒々井かんづめ。三人は九人の待つ部屋に向かう。


⑦部屋の中は、死体置き場だった


⑧太陽。水星。金星。木星。土星。天王星。海王星。冥王星。月――がことごとく、眠るように死んでいる
 お姫様も、鎧武者も、スエットサンダルも、ボーダー麦わら帽子も、輪っかに羽根も、女学生も、セパレート水着も、大鎌ローブも、バニーガールも死んでいる。

         死んでいる。
   死んでいる、死んでいる。死んでいる。
死んでいる、死んでいる、死んでいる。死んでいる。

 安らかな死に方をしている。
 その死に方こそ、空々たちを戦慄させる



『大いなる悲鳴』――!





「いや、これは『小さき悲鳴』だよ」






⑨地球が――少年の前に現れた。

「いくら僕の密度が濃かろうと、太陽系のすべての天体を相手にするのは不可能だ――擬人化でもしてくれていない限り。全員が一ヶ所に集いでもしてくれない限り。致死率百パーセントの『小さき悲鳴による先制攻撃で、瞬時に全滅でもさせない限り

 地球の衛星である月もまた、『地球の一部』である。
 ジャイアントインパクト――。

 無意識のうちに地球に与する行動を取る――地球陣。

「太陽は死んだ。惑星を殺した。準惑星を落とした。衛星を砕いた。これでこの星系は、完全にお亡くなりになった。これで誰も戦争を止められない。これで誰も僕を止められない」


 それともきみたちが人類を代表して――僕と交渉してみるかい?


 悲しげに、哄笑した。



『地球』
 自転周期――――24時間
 公転周期――――365日
 太陽からの距離―1億4960万キロメートル
 直径――――――1万2756キロメートル
 衛星――――――1個
 属性――――――悲
 発見――――――人類生誕時







     ■まとめ。

 四国編に続いて世界編、そして遂に宇宙編
 ですが、人間が生活できる環境下は限られてくるので、そりゃ閉鎖的になっちゃいます。

 今回は、四国編のラストで突然湧き出てきた『火星陣という設定の延長戦がフューチャーされた具合です。
 西尾先生がどの時点で『火星陣』の設定を、盛り込んだのか判断できませんが(四国編は二年も続いていた)、地球に限らず火星も『そう』なら、ほかの惑星だって『そう』であっても不思議じゃない! この辺りは放置されるのかな? と思っていたんですけど、開きかけた風呂敷をちゃんと開いて畳みにきました。

 全体的に『停戦協定』が目的なわけですけど、どこか曖昧な具合で話が進んでいっていたので、惑星サミットの着地点をどうするつもりなんだろう? と思っていたら、掃除されました。

 このラスト5ページに、度胆を抜かれました。
『悲鳴伝』の頃に出て、放置だった『地球陣』と『小さき悲鳴』が、まさかこんな感じに使われるとは思っていませんでした。
 一種のマクガフィンだと思っていたのですけど、この巻で地球のやばさみたいなものが垣間見えました。

ほかの惑星が悲衛に来れるなら地球も来れるのでは?』と、空々くんたちが思い至らなかったのは、惑星交渉に意識を向けて四苦八苦していたのもあるでしょうけれども、地球の神出鬼没さからして――地球が今一度自分たちの前に現れるような図が想像できなかったのではないでしょうか。

 こうして見てみると、惑星さえ殺し得る地球の悲鳴が聞こえない剣藤犬个には、十分過ぎるほどに『英雄』としての素質があったんだなと、思い知らされました。
 そんな剣藤さんは今、漫画版『悲鳴伝』のほうで頑張っているので。
 色々とアレンジされている漫画版は漫画版で楽しいので、お奨めです。若干キャラが違うとかありますけど、『火達磨』戦のアレンジが上手く、空々くんが恰好よかったです。このまま『悲痛伝』からの『四国編』も描いていただきたいと思いました。

 もし、この人工衛星『悲衛』に『リビングデッド』があれば、惑星たちを生き返らせることができたのでしょうか?
 今、地濃さんが持っているAEDの上位互換みたいなものでは、流石に厳しいんですかね。
 その辺も次巻で触れられることでしょう。

     ■空々空。

 相変わらずというか何というか。
 空々くんの地濃さん嫌いが常軌を逸していて、引き気味です。
 今まで隠し続けてきていた『地球との対話』を、ふたりに告白したわけですけど(正確に知っているのは灯籠木さんだけかな?)、まさかほかにも地球と話したことのある人物がいたとは……。それも、まさか灯籠木さんとは。

 彼の『魔人』やら『究極魔法』の設定って、幾度か読み返しても定義というか何というか、色々と曖昧なので、その辺りはどうなるんだろう?

     ■灯籠木四子。

 チーム『白夜』の中で、若干印象が薄かった(あんまりキャラ同士で関わらないから)彼女ですが、今回は空々くんのパートナーポジション。『悲報伝』の頃から、異彩を放っていた彼女ですが、彼女もあろうことか『地球』と話していたとは。

 というよりも。
 この子の発想がぶっ飛び過ぎてて、机上の空論アイディアがたまらない。

 地球を準惑星にする『ダウンサイジング』。
 地球を肥やす『アップデート』。
 太陽を高密度にする『ダウンサイジング』。
 地球を太陽系から追放する『地球恒星化計画』。


 どれもこれも机上の空論でしかないですけど、四国編での彼女たちによる大暴れっぷりを見る限り不可能ではありません。
 チーム『白夜』の魔法って、テラフォーミングにぴったりなんですよね、よく考えてみると。

『木』の魔法を失ったのは、そう考えると惜しい。

     ■惑星。

 どうしてみんな女の子なのかわかりませんけど、どれもこれも楽しげな女の子たちでした。
 苦手な感じの子もいますけどね。

 金星が地球に教えたという『健康法』もとい『大いなる悲鳴』の原型。
 何やら『密度』が関係しているみたいですけど、ひょっとしたら『悲球伝』では、地球内部――『コア』にでも向かうのでしょうか。その場合は、『世界連合』やら救助船『リーダーシップ』の仕事になりそうですけど、『リーダーシップ』には何たって『悲恋』がいますからね(しかも、人格は花屋瀟)。

 空々くんと灯籠木さんがやった『擬星化』の展開がいきなり過ぎて、たまげました。
 何だが、深層心理学とか、そんな感じの雰囲気。深層心理学やら分析心理学についてまったくの知識を持ち合わせていないので、印象で言っているけど。

 一癖も二癖もある惑星たちのキャラクターが実に魅力的で、楽しかったです。
 太陽さんの話し方が特徴的で、タイポグリセミアという『最初と最後の文字が合ってれいば、読めてましう』という手法が用いられていた。

     ■悲球伝。

 魔法の研究を続けている以上、なかなか地球には戻れないと思うので、現在地球に残っている方たちが八面六臂の活躍を見せてくれるのではないかと予想しているところです。
 というか。あとがきでは、あんなことを言っていますけど、悲球伝だけでまとまるとは思えません。

『人間王国』、救助船『リーダーシップ』、『魔人』、『究極魔法』が、残っているわけですから。
 最も細かく言えば『人間王と空々空の謁見』と『順従過ぎる氷上さん』辺りも、伏線として残っているわけですからね。

 まあ。
 といっても、丸投げされることもあり得そうですからね。
『めだかボックス』のノットイコール編で、球磨川禊が委員会連合に潜り込んだのはよかったけど何にもしなかったですし。

 そろそろ空挺部隊以外にも、キャラクターが登場して活躍してほしいところです。

 私は『悲痛伝』やら『悲惨伝』みたいなサバイバル的な伝説シリーズが好きで、強者に対して思考錯誤しながら立ち向かう空々空くんのファイトスタイルが好きなので、そろそろそんな感じのも読みたいと思っているところです。
 互いに適度な能力を持った者同士がバトルすると『うーん』ってな具合に、単調になってしまうんですけど、西尾先生の書く『頭脳バトル』は、緊張感があって楽しいので、読みたいです。
『パトス』――秘々木まばらと、空々空の校舎での戦いがかなり好きです。

 そう簡単には終わりそうにない地球との戦争ですが、いよいよ本格化することでしょう。
 そんなわけで、2016年最後の西尾維新作品、『伝説シリーズ』第八弾『悲衛伝』の感想でした。

 2017年最初の西尾維新作品は一月十一二日刊行の物語シリーズオフシーズン『結物語』です。
 映画も含めると、一月六日公開の『傷物語Ⅲ冷血篇』で配布される『しおぎレンジャー』ということになるんでしょうか。

  




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