『物語シリーズ セカンドシーズン 第九話』感想
2013/09/08 Sun. 02:59 [edit]
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第 閑 話
ま よ い キ ョ ン シ ー 其 ノ 肆
映 像 使 用 書 體 H G P 明 朝 B
001
根性を出して曇り空の中やってきたゾンビ達。
二百、三百、いや、千体近くのゾンビ達に囲われた阿良々木くんと忍ちゃん!
そこに雨が降ってくる。
否、それは米だった。
ライスシャワーを浴びたゾンビ達は消滅し、そして『一人の女性』がいた。
それは――成人した八九寺真宵だった。
002
過去に戻ってたとえ何をしても未来を変える事は出来ない。
時間関連の説として二つあり、過去に戻って何か手を加えると未来に反映されるのか、はたまた反映されず結局同じことという二つの説。
結果的に二つ目だったわけです。
それはつまり『過去に忍野忍と阿良々木暦の二人はやってきて八九寺真宵を助ける』というのは、最初から決まっている事だった。
しかし、八九寺真宵は死んでいる。
死んで怪異になっている。
この矛盾。
けれども、矛盾はしていなかった。
そもそも過去になんて戻っておらず、『別の世界』に移動していた。
その世界をルートXと呼ぶ。
ルートXの世界では八九寺真宵は助けられていた。
別のルートからやってきた金髪幼女を連れた高校生によって。
当時、町ではちょっとした騒ぎになっていた。
金髪の幼女を連れた高校生がいると。
時は進み、十一年後の春休み。
阿良々木暦は怪異の王、最強の怪異――キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと出会い地獄のような春休みを過ごした。
このあと、忍野メメは町を回って怪異譚の蒐集をしていた。
街談巷説、道聴塗説、都市伝説を蒐集していた。
その際に八九寺真宵と出会う。
彼女から聞いた不思議な話。十一年前の不思議な話。
自分の影と話している親切な高校生に助けられた、という話。
この他の蒐集中にある情報があった。
『西暦と年月を訊ねてくる金髪幼女を肩車した高校生』の話を当時中学生だったOLから。
『道を訊ねて来た金髪幼女を連れた高校生』の話を退職した元婦警から。
『小学生を引きそうになっていたところ飛び込んできて助けた高校生』の話。
『家の近くにいた金髪の賢そうな中学生と高校生』の話。
『電信柱に隠れている金髪の中学生と高校生』の話。
それ以外にも多数の目撃証言があった。当時町ではパニックになっていたらしい。
これを聞いた忍野メメは気付いた。
003
申し訳程度のキョンシー要素。
原作のあとがきで『タイトルをまよいキョンシーからまよいゾンビに変えようと思った』というような一文があったはず。
とりあえず――吸血鬼の失敗作がどうしてキョンシーなのか。
怪異という存在は認識の問題である。石ころは地面に転がっていれば石ころだが、祠に祭られていれば御神体にも見えてしまう。結論として人間の認識によって怪異というのは存在している。
要は思い込み。
吸血鬼の失敗作を見た人々が『あれ』を『ゾンビ』ではなく『キョンシー』と認識したのでしょう。
と、いうくらいにしか解釈のしようがない。
原作でも『あれがキョンシーである理由』『吸血鬼の失敗作がキョンシーになった理由』というのは語られていなかったはず。
004
ハートアンダーブレード版の声は初お披露目ですね。
かっけええー……!
ハートアンダーブレードのイメージというよりも、『哀川潤』の声のイメージが『あれ』だった。
ハートアンダーブレードを呼ぶ際の奇声。
あのシーンで泣きかけた。
物凄い迫力だった。
ちなみに……。
忍野忍の年齢は500歳という事になっていますが、正確には598歳です。
おおよそ100歳もサバを読んでいた。
真似できねえ!
005
米拾えよ!
と原作を読んでるときも突っ込みましたが、アニメの方でも突っ込んでおきましょう。
あの後、八九寺さんは地面に散らばった米を必死に拾う羽目になるのでしょう。
『偽物語』第一話の八九寺版!
あの顔を下敷きにしましょう、八九寺P!
『偽物語』のとセットで!
006
ともあれ『人だった頃の世界を傾く物語』はおしまいです。
でも、これは『猫物語(白)』で言うと第一話が始まってから羽川が虎に出会った事を戦場ヶ原さんに相談しに行った間の出来事でしかない。
つまり――この後に『学校に向かえない事情』というのが『起きた』という事になります。
でも、これは『鬼物語』のお話。
まずは『囮物語』を。
『囮物語』は大人気キャラクター・千石撫子ちゃんのお話。
時間軸は『傾物語』の後に起きる『問題』と『問題』を解消してからしばらくしたある日の事です。
時系列的に忍野扇が引っ越してきて少しした辺りです。
ちなみに第一話冒頭に出ていた忍野扇。
あれは十月ごろのお話で、今回の八月の一件は十月の回想という事なのでしょう。
たぶんね。
新オープニングにせず、そのまま『恋愛サーキュレーション』をオープニングにしたら面白いかもしれない。
千石撫子ちゃんが被っていた皮が剥ける物語です。
まあ、総集編が一度挟まれるんですけれどね。
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絶対言っちゃいけない事ですけれど、この『傾物語』は物凄く面白くてよかったんですけれど。
ぶっちゃけ必要ないよね?
当初の西尾先生の頭の中では学習塾炎上事件が語られる予定だったんじゃないでしょうか。
『人の頃だった云々』は『上手いなー』と思ったから流用してましたけれども、『囮』にはなんかそういうのはないのだろうか。
(それにしても、物語シリーズの感想を書いてるお前はかなり意気ってるよな。痛々しいよ、お前)
(ま、まあいいじゃん……。これくらいしかないんだから、意気れる場所)
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thread: 〈物語〉シリーズ セカンドシーズン - janre: アニメ・コミック
tag: 西尾維新 傾物語 八九寺真宵コメント
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